今週のBigBossウィークリーレポート【2025/6/14】
📝 今週の市場ハイライト
今週のキーポイント
・市場の楽観ムードと地政学リスクの綱引き
・米国の良好な経済指標がリスクオン(積極的投資)ムードを支える一方、中東の軍事衝突がリスクオフ(安全資産選好)要因として作用
主要指標サマリー
・S&P500:6,000(+1.54%、年初来+7.20%)
・ナスダック:19,530(+2.20%、年初来+13.04%)
・ダウ平均:42,763(+1.23%、年初来+2.20%)
・Russell2000:5,299(+3.23%、年初来+6.23%)
・VIX指数:17.61(-1.2%)
・金(ゴールド):$3,400+(+9.0%)
💱為替市場の動向
主要通貨ペアの動き
・USD/JPY:144.11(-0.75%)- 円高進行
・EUR/USD:1.16突破(+0.85%)- ユーロ高継続
・USD/CHF:-(-1.15%)- スイスフラン急伸
・DXY(ドル指数):97.92(下落)- 4月安値割れ
為替ハイライト
ドル全面安が今週の為替市場の主要テーマとなりました。米国の消費者物価指数(CPI)および生産者物価指数(PPI)が連続して市場予想を下回ったことで、インフレ圧力の後退観測が強まりました。
ドル指数(DXY)は97.92まで下落し、4月の安値を下回る水準まで弱含みました。特に対スイスフランでは1.15%の大幅下落となり、中東情勢の緊迫化を受けた安全資産需要の高まりが背景にあります。
ユーロは1.160の心理的水準を突破し、欧州中央銀行(ECB)の政策金利据え置きにもかかわらず堅調な推移を維持しました。ただし、一部のECB関係者からはユーロ高への懸念も表明されており、輸出競争力への影響が注視されています。
🇯🇵 日本経済の詳細分析
主要指標
・日経平均株価:37,834.25(-0.89%)- 地政学リスクで下落
・USD/JPY:144.11(円高進行)- ドル安要因
・10年国債利回り:1.2%台(小幅上昇)- 安定推移
ハイライト
日本株式市場は中東情勢の影響で軟調となりました。日経平均株価は37,834.25で引け、前日比338.84ポイント(0.89%)下落しました。イスラエルによるイランへの軍事攻撃を受けて地政学リスクが高まり、リスク回避の売りが優勢となりました。
特に半導体関連株が大幅下落し、東京エレクトロンが4.8%安、ディスコが3.9%安となりました。その他、ファーストリテイリング(1.6%安)、トヨタ自動車(2.4%安)、リクルートホールディングス(3.4%安)など主力株が軒並み売られました。
日本銀行の金融政策については、今週は特段の動きはありませんでしたが、米国のインフレ鈍化を受けて、相対的に日本の金利上昇圧力は限定的となる見込みです。
🇺🇸 米国経済の詳細分析
主要指標
・5月CPI(月次):+0.1%(実績)+0.3%(予想)+0.2%(前回)
・5月PPI(月次):+0.1%(実績)+0.2%(予想)-0.1%(前回)
・雇用統計(5月):139,000人(実績)125,000人(予想)
・失業率:4.2%(変わらず)
ハイライト
インフレ指標の改善が市場楽観論を支えました。5月の消費者物価指数は前月比0.1%上昇と、市場予想の0.3%を大幅に下回りました。生産者物価指数も同様に市場予想を下回り、インフレ圧力の後退が確認されました。
S&P500指数が史上初の6,000ポイント突破を達成しました。技術株(Technology +3.24%)、通信サービス(Communication Services +3.11%)、素材株(Basic Materials +2.44%)が上昇をけん引しました。
雇用市場は引き続き堅調で、5月の非農業部門雇用者数は139,000人増と予想を上回りました。ただし、3月と4月の数値が合計95,000人下方修正されており、労働市場に軟化の兆しも見られます。
ポイント:連続する好材料により、VIX恐怖指数は17.61まで低下し、市場の安定感が高まっています。
🇨🇳 中国経済の詳細分析
主要指標
・上海総合指数:3,100付近(軟調)-1.2%(前月比)
・消費者物価指数:発表予定(注目)
・製造業PMI:50.0付近(横ばい)
ハイライト
中国市場は米中貿易摩擦の懸念から軟調な推移となりました。トランプ政権による関税政策の不透明性が続く中、技術株を中心とした売り圧力が継続しています。
今週は消費者物価指数の発表が予定されており、中国経済の回復ペースを測る重要な指標として注目されています。人民銀行の金融政策についても、米国のインフレ鈍化を受けて相対的に緩和余地が拡大する可能性があります。
🌐 その他の地域の詳細分析
🇪🇺 欧州
欧州中央銀行(ECB)は政策金利を据え置きましたが、ユーロ高の進行に一部の政策委員から懸念が表明されました。ドイツの消費者物価指数など、今後発表される経済指標が注目されます。
🇬🇧 英国
英国市場は労働市場データの発表を控えており、FTSE100指数は新高値を更新しました。Brexit後の経済調整が一段落し、安定的な成長軌道に戻りつつあります。
🇨🇭 スイス
スイスフランが急伸し、安全資産としての地位を再確認しました。中東情勢の緊迫化を受けて、投資家のリスク回避志向が強まっています。
👀来週の注目ポイント
・6月16日(月)夜間:中国経済指標
・6月17日(火)21:30:英国雇用統計
・6月18日(水)22:00:FOMC政策金利発表
・6月19日(木)21:30:米国新規失業保険申請件数
・6月20日(金)16:00:ドイツCPI