今週のBigBossウィークリーレポート【2025/6/28】
📝 今週の市場ハイライト
今週のキーポイント
・米国株式市場:S&P500が史上最高値に迫る勢い、記録更新まで1%以内
・地政学的緊張緩和:イスラエル・イラン間の停戦により投資家心理が改善
・日本株式市場:日経平均が40,000円台を回復、円安効果で輸出関連株が上昇
・中央銀行政策:FRBは利下げに慎重姿勢、今年後半に0.5%の利下げを示唆
今週のマーケットは、地政学的リスクの緩和と堅調な経済指標を背景に、総じて上昇傾向を示した。米国株式市場では主要指数が史上最高値圏での推移を見せ、投資家の楽観的な見通しが反映されている。一方で、中東情勢や米中貿易交渉の行方など、不透明な要因も存在し、市場参加者は慎重な姿勢を保っている。
主要指標サマリー
・S&P500:6,004.00(+0.52%、年初来+3.5%)
・ダウ平均:42,800.00(+1.00%、年初来+2.8%)
・ナスダック総合:19,600.00(+0.34%、年初来+4.2%)
・日経平均:40,150.79(+4.55%、年初来+1.43%)
・TOPIX:2,840.54(+2.5%、年初来+0.8%)
💱為替市場の動向
主要通貨ペアの動き
今週の為替市場では、米ドルが主要通貨に対して総じて軟調に推移した。これは、FRBの利下げ観測の高まりと地政学的リスクの後退が背景にある。
・USD/JPY:144.68円(-1.2%)- 日銀の金融政策正常化観測
・EUR/USD:1.1400(+0.8%)- ECBの緩和ペース減速期待
・GBP/USD:1.2850(+0.6%)- 英国経済の安定成長
・USD/CNY:7.18(-0.3%)- 人民銀行の為替安定化政策
為替ハイライト
ドル円相場は今週、144円台で推移し、週初から約1.2%の円高ドル安となった。日本銀行の追加利上げ観測が高まる中、投資家は円の底堅さに注目している。
ユーロドルは1.14台まで上昇し、欧州中央銀行(ECB)の政策転換への期待が支援材料となっている。市場では今年後半のECB利下げペースが従来予想より緩やかになるとの見方が広がっている。
🇯🇵 日本経済の詳細分析
主要指標
・日経平均:40,150.79円(+4.55%)
・TOPIX:2,840.54(+2.5%)
・USD/JPY:144.68円(-1.2%)
・10年国債利回り:1.25%(+0.05%)
今週の動向
日本株式市場は今週、大幅な上昇を記録した。日経平均株価は40,150.79円で終了し、週間で4.55%の上昇となった。この上昇は、世界的なリスクオフムードの後退と、円安進行による輸出企業の収益改善期待が背景にある。
特に注目されたのは、半導体関連銘柄の堅調な推移。ディスコが7.5%上昇、東京エレクトロンが4.3%上昇するなど、AI需要の拡大を受けた技術株が市場をけん引した。
政策・経済動向
日本銀行に関しては、今年後半の追加利上げ観測が高まっている。東京都区部の6月消費者物価指数は、日銀の目標である2%を上回る水準で推移しており、金融政策の正常化圧力が増している。
一方、政治面では7月の参議院選挙を控え、消費税減税論議が活発化している。与野党各党が有権者にアピールする減税提案を相次いで発表しており、市場では財政政策の動向に注目が集まっている。
🇺🇸 米国経済の詳細分析
主要指標
・S&P500:6,004(+0.52%)
・ナスダック:19,600(+0.34%)
・10年債利回り:4.25%(-0.10%)
・雇用統計(6月):+139千人(市場予想+130千人)
今週の動向
米国株式市場は今週、史上最高値圏での堅調な推移を見せた。S&P500指数は史上最高値まで1%を切る水準まで上昇し、投資家の楽観的な見通しが反映されている。
6月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が13.9万人増加と市場予想の13万人を上回った。失業率は4.2%で安定しており、労働市場の底堅さが確認された。平均時給も前年同月比3.9%上昇と、賃金上昇圧力の継続が示されている。
金融政策の行方
FRBのパウエル議長は今週の議会証言で、関税による物価上昇圧力を慎重に見極める必要があると述べ、利下げに対する慎重な姿勢を示した。市場では今年後半に0.5%の利下げが予想されていますが、インフレ動向次第では見直しの可能性もある。
一方、トランプ大統領は今週もFRBに対する利下げ圧力を強め、パウエル議長を「政治的で賢くない人物」と批判した。中央銀行の独立性を巡る議論が続いている。
🇨🇳 中国経済の詳細分析
主要指標
・USD/CNY:7.18(-0.3%)- 人民銀行の安定化政策
・上海総合:3,050(+1.2%)- 政策期待の高まり
・1年物LPR:3.35%(据え置き)- 追加緩和への期待
今週の動向
中国人民銀行(PBOC)は今週の四半期金融政策委員会会合で、「金融政策調整の強度を高める」との方針を示し、より積極的な緩和姿勢を示唆した。米国の関税政策による外的圧力と国内需要の不足に対応するため、政策対応の迅速化を図る構えだ。
人民元相場は対ドルで7.18元台と、人民銀行が望む安定水準で推移している。当局は為替の急激な変動を避けながら、ある程度の柔軟性を保つ政策を継続している。
経済政策の展望
市場では7月の政治局会議と、その後に予定される中央全会での追加刺激策発表に期待が高まっている。ANZのアナリストは、主要政策金利を今後10ベーシスポイント、さらに30ベーシスポイント引き下げる可能性があると予想している。
🌐 その他の地域の詳細分析
🇪🇺 欧州
ユーロ圏では、ECBの金融政策に対する市場の見方が変化している。BNPパリバの分析では、今年1回の利下げを予想しており、最終的な政策金利は1.75%になると見込まれている。
🇬🇧 英国
英国ポンドは今週、対ドルで堅調に推移した。英国経済の安定成長と、BOEの慎重な政策運営が投資家の信頼を支えている。
🇨🇭 スイス
スイスフランは引き続き安全資産としての地位を保っており、地政学的リスクの後退とともに若干軟調となった。
👀来週の注目ポイント
・7月1日:中国製造業PMI(中国経済の方向性)
・7月2日:米国ISM製造業指数(米国経済の実力判断)
・7月3日:ECB理事会議事録(欧州金融政策の方向性)
・7月4日:米国独立記念日(市場休場)
・7月5日:米国雇用統計(FRB政策への影響)