ブラジルに50%関税?
材料難の日だが、新規失業保険申請件数は
22.7万件と予想23.5万件を下回り、
ドル買い材料となった。雇用面では、
ADP雇用統計は軟化傾向だが、その他の
指標は堅調を示している。関税にも
関わらず、未だ米経済は堅調と言える。
一方、トランプ大統領は次々と
国別関税率を発表しているが、ブラジルに
対してはBRICSへの牽制もあり
50%という高率関税を示した。
しかし、ブラジルから輸入するものは
鉄鉱石やコーヒー豆等、一次産品が多く、
これは単に米産業、米消費者に課税する
だけになる。ブラジルの対米貿易は全体の
わずか12%であり、それほど大きな影響は
ないはずだが、ブラジル・レアルは
急低下し、それが他のエマージング通貨に
伝播するかどうか注目したい。
このような場当たり的な関税適用は
米国の国際的地位を下げる方向にしか
働かない。経済学の教科書的には
関税をかけた国の通貨ドルは上昇する
はずだが、なかなかそうはならないだろう。
FOMC議事要旨では、7月利下げの
可能性に言及した参加者はわずか
2名であり、ボウマン、ウォラー氏の
主張はFOMC内では広まっていないようだ。
次期FRB議長が早期に指名されたとしても
金融政策は多数決で決まるので、
トランプ氏の意向が浸透するか
難しいかもしれない。
