事実上の利上げ宣言にも関わらず、上昇しない円

12月1日の植田総裁講演は、事実上の利上げ宣言とみなされている。その証拠に、JGB金利も急騰し、1.87％とこれまでにないレベルへと上昇した。

長期チャートを見るとわかるが、2％が壁であり、そこは簡単には突破しないと考えられている。しかし、長期金利の上昇は日本経済にとってアキレス腱となりそうだ。

また、日本の金利上昇が米国の金利上昇にもつながり、米10年金利が4.00％から4.10％へと上昇したことがドル円の買いを呼ぶという、奇妙な関係性も生まれてしまった。

もし、JGB金利が2％を超えてさらに上昇した場合、金利上昇を歓迎して円高になるのか、それとも放漫財政が批判されて円売りになるのか、即座には反応できない状況となりそうだ。その時は、慎重に市場が下す決断に従っていきたい。