


と疑問に思ったことはありませんか?
オシレーター系テクニカル分析として、相場の値動きの強さを分析できるのがATRです。
ATR(Average True Range)は直訳すると「真の値幅の平均」となり、少し直感的に理解しづらい分析方法として知られています。
この記事では、以下の内容について詳しく解説します。
この記事でわかること
- ATRとは
- ATRを使う方法
- ATRと組み合わせやすいテクニカル分析
直感的に少し分かりづらい指標として知られていますが、オシレーター系であることと値動きの幅の平均を分析できることが分かると、一気にATRの理解が進みます。
ATRをFXで使ってみたい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
Contents
FXのATRとは
ATR(Average True Range)とは、相場の値動きの強さを分析する指標です。
テクニカル分析としては、相場の過熱感を分析するオシレーター系テクニカル分析に分類されます。
ATRを考案したのは、J・ウエルズ・ワイルダー・ジュニア氏であり、ATRの他にRSIやADXも考案した、現在のテクニカル分析の基礎を作った実績を持ちます。
値動きの幅の平均を視覚化するテクニカル分析

ATRは相場の値動きの強さを分析する指標と紹介しましたが、もう少しわかりやすく説明すると、相場の値動きの幅の平均を視覚化するテクニカル分析です。
一定期間の値動きの平均幅(ボラティリティ)を指標として数値化しており、現在どれだけ相場が活発に動いているのかを分析できます。
ATRの数値が高くなればなるほどボラティリティが高いと判断でき、一目で現在の相場の強さを確認できます。
相場の勢いや変動の大きさを分析するオシレーター系
テクニカル分析には大きく2種類が存在し、ATRはオシレーター系に分類されます。
- オシレーター系:相場の過熱感を分析する
- トレンド系:相場の流れや方向性を分析する
トレンド系とオシレーター系で分析できる内容が違うため、ATRではトレンド系のテクニカル分析が得意とする相場の流れは分析できません。
FXの相場を分析する上で、オシレーター系とトレンド系は役割が異なるため、違いを覚えておきましょう。
ATRの計算式
ATRの計算式は以下のとおりです。
・True Range(TR)を計算します。
①当日の高値ー安値
②|当日の高値ー前日の終値|
③|当日の安値ー前日の終値|
①~③のうち最も大きい値を「TR:真の値幅」とします。
・過去一定期間のTRを平均化してATRを求めます。
ATR=(前回のATR×(n-1)+当日のTR)/n (ATR=TRのn日間の指数平滑移動平均値)
※n=期間
FXでトレードを行うときにATRの計算式を使うことはありませんが、余裕がある時にはどのような計算が行われているのかを把握すること、テクニカル分析の理解度を深めることが可能です。
ATRの計算の意味
ATRの計算には明確な目的があります。
値動きの大きさを確認するとき、ローソク足1本の「高値-安値」だけでは、前日からのギャップ(窓開け)を含めた“本当の値動き”を正確に把握できません。
そこでATRでは、「高値-安値」だけでなく、前日の終値からのギャップも考慮するために、以下の3つの値を比較してTR(True Range:真の値幅)を求めます。
例えば、前日の終値が100円、翌日の始値が103円、翌日の高値が105円、安値が102円だった場合を考えます。
通常の「高値−安値」では3円の値幅ですが、実際には前日の終値から高値までの変動幅「105円−100円=5円」が真の値幅(TR)の最大値になります。
このようにATRの計算は、相場の見た目の値動きではなく、実際に発生した値動きの範囲を捉えるための仕組みです。
つまりATRは、現在の相場がどれだけ動いているのか(ボラティリティ)を客観的に把握できる指標なのです。
FXでATRを使う方法
実際にFXのトレードでATRを使う方法を紹介します。
- 相場の過熱感を判断する
- エントリーや決済の判断
基本的な使い方と、ATRの状態からどのような分析が行えるのか紹介します。
相場の過熱感を判断する

ATRの動きによって、相場の状態を分析することができます。
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ATRの動き |
相場の状態 |
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①ATRが上昇 |
ボラティリティの上昇、相場が活発化 |
|
②ATRが下降 |
ボラティリティの低下、相場が沈静化 |
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③ATRが横ばい |
相場の方向性が曖昧 |
ATRが上昇するとボラティリティが上昇するため、相場の値動きが強い状態と判断できます。
逆にATRが下降すると、ボラティリティが低下して、相場の値動きが弱い状態となります。
また、ATRが横ばいの状態は、相場の方向性が曖昧でレンジ相場である可能性が高くなります。
このように、ATRの動きによって値動きの強さをしっかりと分析できるようになります。
エントリーや決済の判断
ATRの上昇や低下で相場のボラティリティを分析し、エントリーや決済の判断に使うこともできます。
- ATRが上昇:相場の動きが激しくなる前兆であり、エントリーのサインとして使える
- ATRが極端に上昇:相場が加熱しすぎた状態であり、荒れやすいことからエントリーは控える、決済のタイミングとしても使える
- ATRが低下や横ばい:相場が静まりレンジ相場に突入するが、エネルギーを貯める状態のため次の大きなブレイクを狙える
相場のトレンドや方向性を確認した上で、ATRを使うとエントリーのタイミングや決済のタイミングを見計らうことができます。
ATRと組み合わせやすいテクニカル分析と使い方
ATRの使い方を紹介してきましたが、ATR単体で使うよりも他のテクニカル分析と組み合わせた方が、効率よく相場を分析できます。
- ATRとMACD
- ATRと移動平均線
ATRと組み合わせやすいテクニカル分析と、その使い方を紹介します。
ATRとMACD

MACDとATRを組み合わせて使うことで、相場のトレンドと過熱感の両方を分析できるようになります。
MACDで上昇と下降トレンドのどちらが発生するのかを予測し、ATRの上昇でエントリーのタイミングを見計らう使い方ができます。
MACDはトレンド系とオシレーター系の両方を分析できる特徴を持つため、ATRを補助の分析として使うのがおすすめです。
ATRと移動平均線

移動平均線もATRと組み合わせて使いやすいテクニカル分析です。
短期と中期もしくは長期の移動平均線を2本表示させ、相場のトレンドを分析します。
トレンド発生が分析できたら、ATRの上昇でエントリーのタイミングをうかがいましょう。
MACDと使い方が似てはいますが、移動平均線はトレンドの分析に特化をしているため、ATRでしっかりと相場の過熱感を分析する必要があります。
FXでATRを使うときの注意点
FXのトレードでATRを使うときには注意すべきポイントがあります。
- ATRは単体での相場攻略は難しい
- 後追いの指標となる
- 急変動時に一時的な数値の歪みが出る
どのような点に注意すべきか、一つずつ確認していきましょう。
ATRは単体での相場攻略は難しい
ATRは相場の過熱感のみの分析を得意としています。
相場のトレンド方向を分析することができないため、単体で為替相場の攻略を目指すことは難しいです。
そのため、基本的にはトレンド系テクニカル分析と組み合わせて使うのがおすすめです。
先程使い方を紹介した、移動平均線とMACDならFX初心者の方でも取り扱いやすいため、ATRを使うなら組み合わせて使ってみましょう。
後追いの指標となる
ATRは過去の値動きを平均化した計算が用いられているため、指標としては相場の後追いで示されることになります。
リアルタイムの値動きに対して、相場の値動きの強さを分析しているわけではない点に注意しましょう。
特に直近の値動きに影響が出やすい短期トレードにおいては、ATRが使いづらい可能性があるため、中期や長期によるトレードで使うと良いです。
急変動時に一時的な数値の歪みが出る
経済指標の発表や地政学リスクが発生するとき、相場の急変動に合わせてATRも急上昇します。
こういった急変動は一時的な値動きが多く、その後トレンドが発生するとは限りません。
ATRの急上昇を見てエントリーしてしまうと、急変動の反動で戻す値動きに騙され、損失を出してしまうリスクが高まります。
そのため、ATRを使うときにはしっかりとトレンドを見極め、相場の急変動の要因を調べてからエントリーしましょう。
まとめ:ATRを使うならトレンド系テクニカル分析と組み合わせよう
ATRは、相場の値動きの強さを分析する指標であり、相場の過熱感を分析するオシレーター系テクニカル分析に分類されます。
ATRの上昇から相場のボラティリティが高まることを予測でき、エントリーや決済のタイミングを見計らうサインとして使えます。
オシレーター系の分析として使うことはできますが、単体では相場の攻略に向かないこともあるため、トレンド系テクニカル分析と組み合わせて使うのがおすすめです。
ちなみに、ATRを使うなら複数のテクニカル分析を同時に表示できる、BigBossの取引ツールMT4を使うとトレードが行いやすいです。
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BigBossコラム編集部