「RCIって何だろう?」
「RSIとRCIの違いは何?」
「RCIはどのようにトレードに活用する?」
と考えていませんか?
「RSI」というインジケーターはよく聞くけれど、RCIについては詳しく知らない方も一定数いるでしょう。
BigBossを含む海外FX業者で採用されているMT4やMT5には標準装備されていませんが、インジケーターをダウンロードして活用することができます。
RCIは相場の過熱感を判断する際に役立つほか、順張り系のインジケーターとしても活用できるのが特徴です。
この記事では以下の内容について詳しく解説します。
- RCIが何を基に算出されているのか
- RCIをチャートに表示する方法
- RCIの見方
- RCIをトレードで活用する方法
- RCIとRSIの違い
この記事を読めば、RCIをトレードに活用する方法が理解でき、相場分析をする際の選択肢の1つにできるようになるでしょう。
これからFXにチャレンジしようと考えている方も、FXの経験がある方も、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
Contents
FXのRCIとは
RCIもしくは「Rank Correlation Index」は、日本語で「順位相関係数」と表現されるテクニカル指標の一つで、特定の期間内での日付と価格の順位の相関関係を示すテクニカル指標です。
【画像1/MT4に表示したRCI】
多くのテクニカル指標が価格の変動やその範囲を基に計算される中、RCIは異なるアプローチで算出されるのが特徴です。RCIは価格の動きそのものではなく、特定の期間内での「時間」と「価格」の順位の相関関係を中心に分析します。
【画像2/RCIの基本的な見方】
RCIは、価格の上昇や下降のトレンドを示すだけでなく、そのトレンドの強さや持続性も示唆します。
RCIの値は-100から+100の範囲で変動し、+100近辺は強い上昇トレンド、-100近辺は強い下降トレンドを示します。RCIのラインが+80%以上であれば「上昇相場の過熱=買われすぎ」、ラインが-80%以下であれば「下降相場の過熱=売られすぎ」と判断するのが一般的です。
また、RCIは異なる期間での分析にも対応しており、短期間だけでなく、中期や長期間での分析にも利用できます。
RCIを利用する方法は?
RCI(順位相関係数)は、多くのトレーディングプラットフォームで利用可能なテクニカル指標です。その中でも、特に人気のあるプラットフォームであるMT4/MT5とTradingViewでのRCIの利用方法を以下に紹介します。
MT4/MT5でRCIを利用する
MT4やMT5は、RCIを標準で提供していませんが、MT4/MT5を開発したメタクォーツ社が提供するMQL5からダウンロードできます。MQL5のアカウントが必要ですが、アカウントを作成すれば、MT4/MT5から直接ダウンロードすることが可能です。
RCIの無料インジケーターが複数表示されますが、3本のRCIを表示できる「RCI 3lines」がシンプルで使いやすいでしょう。
ターミナルをクリックし、「マーケット」タブに進んでください。
RCIと検索すると、「RCI 3lines」が表示されます。
TradingViewでRCIを利用する
TradingViewのプラットフォームでは、「RCI3lines」というインジケーターを選択することで、RCIをチャート上に表示することができます。このインジケーターは、3つの異なる期間のRCIラインを同時に表示することが可能で、トレンドの強さや方向性を一目で確認することができます。
【画像3/TradingViewのRCI】
RCIの算出方法
RCIは、日付と価格の順位を基に、その相関度を示す値として算出されます。
具体的な算出方法は以下の通りです:
RCI(%) = {1 - (6×d) ÷ (n^3 - n)} × 100
d:日付の順位と価格の順位の差を2乗して合計した値
n:分析する期間(例:9日間)
順位付けのルールは以下のとおりです。
日付の順位付け:最新の日付を1とし、前日を2、さらに前の日を3というように順位をつけます。
価格の順位付け:期間中の最高値を1とし、次に高い価格を2、さらに次を3というように順位をつけます。
具体例で考えてみましょう。
以下はドル円の価格推移を示したものです。先述した順位付けのルールに基づいて、順位を決めています。
日付 | 価格(ドル円) | 日付の順位 | 価格の順位 |
8月6日 | 140.10円 | 5 | 5 |
8月7日 | 141.30円 | 4 | 4 |
8月8日 | 142.50円 | 3 | 3 |
8月9日 | 144.70円 | 2 | 2 |
8月10日(当日) | 145円 | 1 | 1 |
上記の表の場合、計算期間中に価格が右肩上がりで上昇しています。つまり、「日付が更新されるにしたがって価格も相関して上昇している」ということです。
では、計算式の「日付の順位と価格の順位の差の2乗を合計した数値」を計算していきましょう。
日付 | 日付の順位 | 価格の順位 | 日付の順位と価格の順位の差の2乗 | 計算式のd |
8月6日 | 5 | 5 | (5-5)×(5-5)=0 | 0 |
8月7日 | 4 | 4 | (4-4)×(4-4)=0 | |
8月8日 | 3 | 3 | (3-3)×(3-3)=0 | |
8月9日 | 2 | 2 | (2-2)×(2-2)=0 | |
8月10日(当日) | 1 | 1 | (1-1)×(1-1)=0 |
n(期間)=5、d=0をRCIの計算式に代入すると、RCI=100%となります。
上昇トレンドが強く発生している相場では、RCIの数値は+100%に近づきます。
一方、下降トレンドが強く発生している相場では、RCIの数値は-100%に近づきます。
RCIの使い方
RCI(順位相関係数)は、市場のトレンドやボラティリティを評価するためのテクニカル指標として広く使用されています。
RCIを効果的に活用するための方法と基本的な売買シグナルを見ていきましょう
RCIを活用した相場分析方法
相場の過熱感の確認
オシレーター指標としての使い方です。
市場が過熱しているか、逆に売られ過ぎているかを判断することができます。
RCIの数値 | 分析方法 |
+80%以上 | 相場が過熱している |
-80%以上 | 相場が売られすぎている |
トレンドの確認
RCIをトレンド分析で活用する方法です。
RCIが+80以上または-80以下の場合、相場に強いトレンドが発生している可能性があります。
RCIの数値 | トレンド分析 |
+80以上 | 上昇トレンドが発生している可能性 |
-80以下 | 下降トレンドが発生している可能性 |
ダイバージェンスの確認
RCIはオシレーター系インジケーターであるため、ダイバージェンスが発生した場合、相場の転換が近いと認識することができます。
ダイバージェンスとは
価格が高値/安値を更新しているにも関わらず、オシレーター系指標が逆行する現象のこと
RCIの天井や底値での張り付き
RCIが天井/底値で張り付いている場合、強いトレンド発生している可能性が高いと考えられます。この場合、移動平均線などトレンド系指標と組み合わせて分析するのがおすすめです。
【画像4/トレンド発生時の天井圏・安値圏の張り付き】
基本的な売買シグナル
シグナル | 条件 |
買いシグナル |
|
売りシグナル |
|
RCIの動きに基づいて売買を判断する方法もあります。
例えば、RCIが0%以下のマイナスゾーンから0%以上のプラスゾーンへのクロスは上昇トレンドの発生を示唆します。RCIの値が0%を超える場合は上昇トレンド、0%を下回る場合は下降トレンドが発生している可能性があり、相場分析の参考とできるでしょう。
また、RCIが底打ちしてからすぐに買うのではなく、再び-80%を上回ったら買いシグナルとする考え方もあります。売りの場合も同様です。このようにすることで、シグナルのダマシをある程度避けることができます。
また、RCIはオシレーター系の指標の一つであり、反応が早いことが特徴です。期間を示す「n」は調整可能で、デフォルトの短期分析では9日間が一般的ですが、中期分析で26日間、長期分析で52日間を設定する考え方もあります。
いずれの場合も、RCIだけではなく、他のテクニカル指標と併用して活用することが重要です。
RCIを利用するコツ
- 強いトレンドが形成されている時、RCIは順張りの見方が適している。
- 上昇トレンド時、短期のRCIが高い位置で反転する点が、押し目買いのポイントとなる。
- 基本的に、RCIが0以上で推移していれば上昇トレンド、0以下で推移していれば下降トレンドと判断。
RCIを利用する際の注意点として、強いトレンドが形成されている時にはRCIの順張りの見方が適しています。
特に、上昇トレンドが形成されている場合、短期のRCIが高い位置で反転する点は、押し目買いのポイントとなります。そして、RCIが0以上で推移していれば上昇トレンド、0以下で推移していれば下降トレンドと判断することが基本です。
デイトレードにおけるRCIの活用法
デイトレードとRCIは相性のよくトレードで活用しやすいでしょう。
この章では、RCIを中心としたデイトレードの戦略やその活用法について詳しく解説します。
RCIと移動平均線の組み合わせ
RCIはトレンド分析・オシレーターのどちらでも活用できるのがメリットですが、ダマシが多く単体での活用はお勧めできません。
おすすめなのが、移動平均線とRCIの組み合わせです。
例えば、トレンド分析をする際、RCIのグラフが0%を上抜けしていたとします。
この場合、移動平均線も同時に確認し、上方向への傾きがあるか、ローソク足は移動平均線を上回っているかなどを確認します。
全ての条件を満たした場合、買いポジションを検討できます。
【画像5/RCIと移動平均線の組み合わせ】
RCIの特性と長期・短期の組み合わせ
RCIは1本で利用することが基本ですが、短期・中期・長期の3本を表示させることで、ダマシを避けたり、トレンドを早く見つけることができます。
【画像6/3本のRCIを活用した分析方法】
RCIの種類 | 設定値(例) | 活用方法 |
短期RCI | 9 | スキャルピングやエントリー/決済 |
中期RCI | 26 | デイトレードやトレンド分析をする |
長期RCI | 52 | 相場の大きな方向性を把握する |
短期RCIではデフォルトの9を設定し、スキャルピングや、エントリー/決済タイミングで活用します。RCIは短期トレードで有効に機能しやすいため、スキャルピングであれば1分足や5分足でも活用できるでしょう。
中期RCIは26がおすすめです。1時間足などで利用し、トレンドが発生しているか、過熱感があるかどうかを確認します。また、短期RCIとゴールデンクロスや デッドクロスの発生を確認した場合、売買を検討できます。
長期RCIは大きな相場の方向性を把握するために活用します。
例えば、長期RCIが上向きになっていて、短中期RCIが安値圏から上向きに転換しようとしている場合、押し目買いのチャンスとなるでしょう。
RCIとRSIの違い
RCIとRSIは、オシレーター系のテクニカル指標として、どちらも市場の過熱状況を分析するために使用されます。
しかし、名前が似ているため、混同してしまうかもしれません。
【画像7/RCIとRSIの比較】
以下の表は、RCIとRSIの主な違いを示しています。
特徴/指標 | RCI | RSI |
定義 | 順位相関指数 | 相対力指数 |
数値の範囲 | -100% ~ +100% | 0% ~ 100% |
対応する相場 | レンジ相場・トレンド相場 | レンジ相場 |
計算の特徴 | 日付と価格の順位に基づく | 一定期間の変動幅に基づく |
反応の特性 | 価格の連続的な上昇や下降に素直に反応 | 価格の変動幅を基にした相対的な強さを示す |
RCIは「順位相関指数」として、日付と価格の順位の相関関係を示すものです。
一方、RSIは「相対力指数」として、一定期間の価格変動を計算して、上昇幅と下降幅の比率を数値化したインジケーターです。
例えば、RSIの期間が14で、RSIの数値が60%となっていた場合、
「過去14本のローソク足の変動幅で60%が上昇の動き、40%が下降の動きをした」という意味となります。
RSIは価格の変動幅を考慮していますが、RCIは考慮されていません。そのため、急騰・急落の際にはダマシのシグナルが発生しやすくなったり、逆に反応が遅くなったりするため、他の指標と組み合わせることが必要です。
まとめ
RCIは、市場の過熱感やトレンドを示すテクニカル指標として、デイトレ―ドで活用できます。
RCI単体でも利用できますが、ダマシのシグナルが発生する可能性もあるため、3本のRCIを用いた分析、移動平均線やRSIなど他の指標と併用して活用することで、トレードの幅を拡げることができるでしょう。
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