FXにはさまざまな投資方法が存在しますが、そのうちの大半は順張りか逆張りに分けられます。順張りはトレンドにしたがって買い（売り）でエントリーすることで、逆張りは、トレンドの逆方向へ買い（売り）でエントリーします。
逆張りは順張りよりも購入価格が安いのがメリットですので、最終的な利益率を高められるかもしれません。今回は逆張りのなかでも、FX初心者が挑戦しやすい押し目買いと、戻り売りの全体像と注文するタイミング、見極め方法を解説します。
また、この記事の後半部分では、押し目買いと戻り売りの注意点と対策をまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。
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Contents
FXの押し目買いと戻り売りとは
FXにおける押し目買いと戻り売りは、注文方法の一種です。それぞれの意味を見ていきましょう。なお、為替の世界では「押す」は下降で、「戻る」は上昇の意味があります。
- 押し目買い：上昇トレンドにおいて、チャートが一時的に下がったタイミングで買い注文
- 戻し売り：下降トレンドにおいて、チャートが一時的に上がったタイミングで売り注文
それぞれ逆の意味合いですが、考え方の根幹は同じです。
押し目買いと戻り売りの売買方法
押し目買いと戻り売りの売買方法を解説します。注文タイミングも重要ですので、ぜひ参考にしてください。
押し目買いの売買方法と注文タイミング
押し目買いの注文タイミングは、上昇トレンドにおいてチャートが一時的に下がったポイントです。上昇トレンドは常にチャートが上がる訳ではなく、上がり下がりの波を繰り返して上がっているためです。
上昇トレンドでチャートが下落したときを見計らって注文すると、チャートが上昇している最中に注文するよりも、より多くの利益を得られる可能性があります。
戻り売りの売買方法と注文タイミング
戻り売りの注文タイミングは、下降トレンドにおいてチャートが一時的に上がったところです。上昇トレンドとは逆に、下降トレンドも上がり下がりのリズムを繰り返して下がっていくためです。
また、戻り売りのメリットも押し目買いとは逆で、チャートが上昇している最中に注文すると、より多くの利益を得られる確率が高まるでしょう。
押し目買いと戻り売りのトレンドの見極め方法
押し目買いと戻り売りのトレンドの見極め方を3つ紹介します。それぞれ詳しく見ていきましょう。
チャートを入念にチェック
トレンドラインや移動平均線などの指標も大切ですが、まずは上昇か下降しているトレンドを俯瞰して、チャートの相場の感覚を身につけましょう。重要なチェックポイントの一部を紹介します。
- 直近で一時的に大きく値動きしたところ
- 波の大きさや切り替わりの早さ
- チェックしている通貨にまつわる国際的なニュース
調べられる情報をすべてリサーチしたり、熟考したりすると予測が立てやすくなるため、勝率がアップするかもしれません。
トレンドラインを引く
トレンドラインとはチャートに引く補助線のことで、高値と安値の流れを示す2本の線を用います。上値抵抗線（レジスタンスライン）はローソク足の高値を結んだ線で、下値支持線（サポートライン）はローソク足の安値を結んだ線です。
レジスタンスラインとサポートラインを表示した結果、右上方向に線が伸びていれば上昇トレンドで、右下方向に伸びていれば下降トレンドです。トレンドラインを利用した、押し目買いと戻り売りのエントリータイミングの目安は次の通りです。
- 押し目買い：レジスタンスラインを上回っていたローソク足が、ライン内に収まってきた瞬間
- 戻り売り：サポートラインを下回っていたローソク足が、ライン内に収まってきた瞬間
移動平均線のチェック
移動平均線は、ある期間中の値動きの平均値を結んで線にしたもので、不規則に変動する相場を分析しやすくする役割があります。移動平均線は主に次の3つに分類されますが、いずれもその日の終値で平均を算出して移動線を引くのが特徴です。
- 短期移動平均線：分足や時間足など、短い期間の平均を示す
- 中期移動平均線：日足など、短期移動平均線よりも、長い期間の平均を示す
- 長期移動平均線：週足や月足など、長期間の平均を示す
上昇トレンドのレートは移動平均線よりも上で、右上方向に伸びています。それに対して、下降トレンドのレートは移動平均線よりも下で、右下方向に伸びています。移動平均線における押し目買いと戻り売りのエントリータイミングは、一時的に上がった、もしくは下がった複数のポイントが、移動平均線に触れているときです。
押し目買いと戻り売りの注意点
押し目買いと戻り売りの注意点は主に3つあります。
だましのリスク
FXにおける「だまし」とは、テクニカル分析などで買い時や売り時のシグナルがあるのにもかかわらず、予想に反した動きを見せることです。押し目買いや戻り売りでは、一時的な値動き反応しやすい移動平均線を使用しますので、だましには注意しましょう。
また、分単位などチェックするチャートの幅が短いと、ノイズが多くなるうえ理論に基づいた判断がしづらく、だましに遭うリスクが高まるでしょう。
高値つかみの可能性
FXにおける「高値つかみ」は通貨価値が高いときに買い、買った瞬間に価値が下落することです。特に押し目買いはチャートが一旦下降したタイミングで注文するため、高値つかみになるリスクが高いといえるでしょう。
戻り売りも同様の危険性があります。高値つかみのリスクを減らすためにも、移動平均線やトレンドラインなどを駆使して、根拠に基づいて押し目買いするかどうかを決断しましょう。
絶対に利益が出る手法ではない
すべての手法に通じることですが、押し目買いと戻り売りは確実に利益が出る手法ではありません。相場はとても敏感ですので、どれほど根拠のあるトレードをしても、思うような利益がでないことが多々あるためです。
トレードで負けないことを目指すのではなく、通算のトレードでどれだけの利益が出ているかを意識しましょう。一度のトレード結果で一喜一憂せず、毎日相場に向き合うことが勝ち続けるトレーダーの特徴の一つです。
押し目買いと戻り売りで含み損が生じた場合の対処法
押し目買いや戻り売りで含み損が生じた場合に、効果的な対処法は3つです。それぞれ詳しく解説します。
あらかじめ損切ラインを決める
損切りラインとは、損失がある一定のポイントに達したとき、保有していたポジションを決済するラインのことです。取引ごとに損切ラインを決めなければ不測の事態に対処しきれず、大きな損失になるリスクがあります。
注文時のレートの8%が含み損で生じた箇所を損切ラインにするのが、大きな目安です。損切ラインをあらかじめ設定しておくことで、損失を最小限に抑えられます。感情に流されないトレードを実現できるでしょう。
損切するときは複数回に分けない
専業トレーダーでも目測を誤るほど市場は常に変動しますので、予想外の損失が発生することも少なくはありません。万が一、事前に設定した損切りラインに達したら、どのような状況でも迷うことなく損切りを実行するとよいでしょう。
損切は分割して行うよりも一気に行うことで、さらなる損失拡大を防ぎやすいというメリットがあるためです。
損失を取り戻そうとしない
損切り後は感情が高まるため、損失分をすぐに取り戻そうとしやすい傾向があります。急いだ行動はリスクを増大させるだけでなく、理論や数値に基づかないトレードを助長し、さらなる損失を招くリスクがあります。
損切後は一度冷静になって次の戦略を練り、慎重に市場を分析したうえで、トレードするように心がけましょう。
まとめ：押し目買いと戻り売りを使って賢くトレードしよう
今回はFXの注文方法である押し目買いと、戻り売りについて詳しく解説してきました。どちらもトレンドと逆方向へ転じた際に注文するのが特徴です。トレンドラインや移動平均線を積極的に活用しましょう。
また、だましや高値つかみのリスクに注意しながら、トレードを進めるのが大切です。含み損が生じた場合でも、正しく対処すれば損失を最小限に抑えられるかもしれません。この記事を参考にしながら、ぜひ押し目買いと戻り売りに挑戦してみてください。
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