
カップウィズハンドルとは、価格が大きく上昇したあとにコーヒーカップのようなU字型と取っ手の形を描く値動きをするチャートパターンです。
ハンドル部分を形成後に出来高の増加が確認できれば、大きな上昇トレンドが発生する可能性があります。
この記事でわかること
- カップウィズハンドルの定義と5つの成立条件
- カップウィズハンドルが形成される理由
- だましを回避するチェックポイント
- エントリー・損切り・利確ポイントの設定方法
カップウィズハンドルを取り入れれば、大きなトレンドに乗ったトレードで利益が狙えるようになるでしょう。
トレード戦略の幅を広げたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
カップウィズハンドルとは

カップウィズハンドル(Cup with handle)とは、アメリカの投資家であるウィリアム・J・オニールが提唱したテクニカル分析におけるチャートパターンの一つです。
値動きが取っ手のついたコーヒーカップのような形を描くことから、カップウィズハンドルと呼ばれます。
カップウィズハンドルは、強力な上昇トレンドの開始を知らせる「買いサイン」とされており、形成後は価格が急騰する可能性があります。
もともと株式投資の分析で使われていましたが、FXや仮想通貨トレードでも活用できます。
カップウィズハンドルは以下の2つで構成されています。
- カップ(Cup):価格が上昇後緩やかに下落し、U字型を描いて元の高値まで戻る部分
- ハンドル(Handle):カップ右肩に形成される小さい調整部分

カップウィズハンドルの成立条件

カップウィズハンドルは、以下の条件をすべて満たしたチャートパターンです。
- カップ形成前に30%程度の上昇をする
- 3~6ヶ月かけて10%~30%の調整が入り、U字型を形成する
- 1~4週間かけて10%前後下落し、ハンドルを形成する
- カップ右肩にハンドルが形成される
- ブレイク時に出来高が増加する
| 条件 | チェックポイント | 注意ポイント | 判断基準 |
| ①カップ形成前の上昇 | 30%以上 | 30%未満(信頼性低) | サポートラインからの上昇値るで確認 |
| ②カップの調整幅とU字形成 | 10~33%・U字型 | 33%超またはV字型は✕ | 3~6ヶ月かけて完成 |
| ③ハンドルの下落幅と期間 | 10%前後・1~4週間 | 15%超は✕ | カップ完成後に再び調整が入る |
| ④ハンドルの位置 | カップ上半分(高値付近) | 下半分での形成は✕ | カップ底値から中間点より上で完成 |
| ⑤ブレイク時の出来高 | 平均より増加 | 増加なしはだましリスクあり | ティックボリュームで確認 |
成立条件を詳しく解説します。
1.カップ形成前に30%程度の上昇をする

カップウィズハンドルでは、カップ形成前に30%程度の価格上昇が見られます。
サポートラインからの上昇率が30%に満たない場合は、成立条件から外れます。
2.3~6ヶ月かけて10%~30%の調整が入り、U字型を形成する

カップ形成前の価格上昇後、3~6ヶ月かけて10%~30%の調整が入ります。
調整時の一時的な下落は比較的緩やかなので、V字ではなくU字になるのが特徴です。
その後、緩やかな上昇を見せ、カップの右半分を描きます。
3.1~4週間かけて10%前後下落する

カップを形成したあとに再び調整に入り、1~4週間かけて10%前後下落します。
4.カップ右肩にハンドルが形成される

ハンドルは、カップの右肩(高値付近)の上半分で形成されます。
カップの底値から中間点よりも下でハンドルが形成されている場合、売りの圧力が想定よりも強いことを示しており、だましに遭うリスクが高くなります。
5.ブレイク時に出来高が増加する

ハンドル形成後の上昇時に出来高の増加がみられれば、カップウィズハンドルの完成です。
出来高が増加するのは、大口投資家がカップウィズハンドルの形成を予測して買い増しをすることが要因とされています。
一方、出来高の増加を伴った価格上昇でない場合は、成立条件を満たさず、だましに遭うリスクが高まるでしょう。
なお、FX取引で出来高を確認する場合は「ボリューム」「オン・バランス・ボリューム」などのインジケーターを活用するのがおすすめです。
カップウィズハンドルが形成される仕組みと投資家心理
カップウィズハンドルは、以下のような流れで形成されます。
- 強気相場の中での初動上昇
- 利益確定による調整下落
- 安値圏での買い集め
- 買い圧力の強まりで回復上昇
- ハンドル部分の軽い下落
- 高値ブレイクで急騰開始
それぞれどのような相場状況なのか投資家心理も併せて解説します。
それでは詳しく見ていきましょう。
1.強気相場の中での初動上昇

カップウィズハンドルの形成は、まず価格が強く上昇することから始まります。
上昇が続くと判断したトレーダーの買い注文が集まり、高値を更新する値動きが確認できます。
2.利益確定による調整下落

一部のトレーダーが保有している買いポジションを利益確定することで、価格が下落する局面です。
一時的な下落によって、買い手と売り手の勢力が拮抗し、レンジ相場になります。
利益確定による売りや、狼狽売りが重なり売り圧力がピークを迎えます。
3.安値圏での買い集め

価格が一定水準まで下落すると、「底打ちした」と判断する大口投資家や機関投資家が増え、安値で買い集めを始めます。
その結果、下落の勢いが弱まり、安値圏での売買が増えていきます。
4.買い圧力の強まりで回復上昇

買い集めが進むと、価格が徐々に上がっていき、上昇トレンドに転換します。
この値動きによってカップの右側が形成され、再び高値圏を目指す相場となります。
5.ハンドル部分の軽い下落

カップの起点となる高値付近に到達すると、短期トレーダーによって「利益を確定したい」心理が働き、ポジション整理の売り注文が入ることで一時的に価格が下落します。
この値動きがハンドルを形成し、さらなる上昇が起こるサインとなります。
6.高値ブレイクで急騰開始

ハンドルを形成したあとに、価格が高値を突破すると、買い注文が集中して急騰するきっかけになります。
ブレイクアウトを狙った新規買いが増え、カップウィズハンドルのパターンが完成します。
実際にカップウィズハンドルを形成したチャート
下図は、実際にカップウィズハンドルを形成したGOLDの週足チャートです。

ハンドル部分にあたる調整を終え、2024年1月から2年間で230%の値上がりがあり、大きく上昇していました。
カップウィズハンドルの見つけ方とトレード方法
カップウィズハンドルを取り入れる際は、以下の流れでトレードするのがおすすめです。
- カップウィズハンドルの形成を水平ラインで確認する
- エントリーポイントを見極める
- 利益確定と損切りポイントを決める
順番に詳しく紹介します。
1.カップウィズハンドルの形成を水平ラインで確認する
カップウィズハンドルを見つけるには、水平ラインを引くのが効果的です。
上昇トレンドが下落に転じたら、下図のようにカップの起点となる高値に水平ラインを引きます。

高値をつなぐ水平ラインで反落し、ハンドル部分の一時的な下落が発生したら、カップウィズハンドルの形成が予測できます。
2.エントリーポイントを見極める
カップウィズハンドルでトレードする場合は、カップの起点である高値を超えたタイミングがエントリーポイントです。
下図のようにローソク足の終値が水平ラインを超えたときに、買いエントリーを検討できます。

水平ラインを超えなかった場合は、カップウィズハンドルではなくダブルトップが完成する可能性があります。
上昇トレンド時にダブルトップが出現すると、下降トレンドへの転換が起こりやすくなります。
水平ラインの突破からどちらのチャートパターンに該当するのかを見極めたうえでエントリーしましょう。
▶ダブルトップの形状やエントリーポイントはこちらで詳しく解説!
3.利益確定と損切りポイントを決める
利益確定するポイントは、カップの底値から高値と同じ値幅を確保できるラインに置くのがおすすめです。

具体的な数値を出したい場合は、以下の計算式で求めることができます。
例)
ネックライン(高値):150.00円 底値:130.00円
カップの深さ:150.00円-130.00円=20.00円
利確ポイント:150.00円+20.00円=170.00円
一方、以下のような値動きが見られたときは、大きな上昇が見込めないため、損切りを検討しましょう。
- 直近の安値(ハンドルの部分)を割ったとき
- カップウィズハンドルの高値を超えたあとに価格が戻って高値を割ったとき
カップウィズハンドルでだましを避けるチェックポイント
カップウィズハンドルの売買サインがだましとなるケースもあります。
だましとは、テクニカル分析などで導いた売買サインと異なる方向に価格が動くことです。
だましを避けるには、以下のポイントを確認したうえでエントリーを検討しましょう。
| 確認項目 | チェックポイント | 判断基準 |
| 上昇トレンドの発生 | カップ形成前に大きな上昇があるか | サポートラインからの上昇率が30% |
| 完成期間 | 完成期間が長いか | 3~6ヶ月かけて完成 |
| 調整幅 | カップの深さ(下落幅)は適切か | 直前の高値から10~30%の調整 |
| カップの形状 | U字型になっているか(V字でないか) | 穏やかな下落から上昇 |
| ハンドルの位置 | ハンドルがカップの上半分にあるか | ハンドルの底が10週移動平均線より上側 |
それぞれ詳しく解説します。
1.上位足で上昇トレンドが発生しているか
FX相場では、下位足が上位足のトレンド方向に従う傾向があります。
そのため、カップウィズハンドルの発生を確認したときは、上位足でも上昇トレンドが発生しているかを確認したうえで買いエントリーをしましょう。
エントリーポイントが少なくなる可能性がありますが、だましに遭う回数が減り、トレードの精度が高まりやすくなります。
ここでいう上昇トレンドにはいくつかの典型的なチャート構造があり、例えば「ダブルボトム」「アセンディングトライアングル」などです。
つまり、カップウィズハンドルを使う際は単体で判断するのではなく、上位足で上昇継続構造やトレンドの流れが成立しているかを確認することで、エントリーの信頼性が高まります。
2.パターンの完成期間が長いか
カップウィズハンドルの成立条件は、3~6ヶ月の長い期間をかけて形成することです。
そのため、完成期間が短い場合は信頼性が低く、だましとなる可能性が高まります。
日足チャートでカップ部分が3~6ヶ月かけて作られているものなのかを確認したうえでエントリーを検討しましょう。
3.ローソク足の実体がネックラインを超えているか
ネックラインを上回ったことを確認するときは、ローソク足の実体(終値)で超えているかを確認しましょう。
ヒゲだけが抜けたヒゲ抜けではネックラインを超えたとは言えず、よくあるだましの要因の一つです。
4.ブレイク直前にダイバージェンスが発生していないか
ラインブレイク直前にRSIやMACDなどのオシレーター系指標で価格と逆行するダイバージェンスが発生していないか確認しましょう。

ダイバージェンスが発生している場合、上昇の勢いが弱まっているサインとなりだましの可能性があるため、エントリー見送りを検討しましょう。
5.ネックライン上に強い抵抗線がないか
ネックライン上に過去の高値やキリ番、フィボナッチの61.8%ラインなどの抵抗線が近接している場合、ブレイク直後に反落する可能性が高くなります。
抵抗線を明確に上抜けるまでエントリーを待つか、見送りを検討しましょう。
「逆カップウィズハンドル」も存在する

逆カップウィズハンドルは、強力な下降トレンドの開始を知らせる「売りサイン」とされています。
高値圏で出現し、天井形成パターンとして知られています。
カップウィズハンドルとは反対に、一度大きく下落したあとに反発してU字の型を作ります。
しかし、以前の高値を超えることなく逆ハンドルを形成します。
カップウィズハンドルと逆カップウィズハンドルの違いは以下の通りです。
| 項目 | カップウィズハンドル | 逆カップウィズハンドル |
| 形状 | U字型+小幅下落(ハンドル) | 逆U字型+小幅反発(ハンドル) |
| サイン | 買い | 売り |
| エントリー | ネックライン上抜け確定で買い | ネックライン下抜け確定で売り |
| 損切り | ハンドル安値を実体で割ったとき | ハンドル高値を実体で超えたとき |
| 利確目標 | ネックライン+カップの深さ | ネックライン-山の高さ |
カップウィズハンドルに関するよくある質問
ここでは、カップウィズハンドルに関するよくある質問に回答します。
カップウィズハンドルはFXでも使える?
カップウィズハンドルは元々、株式投資の分析で使用していましたがFXや暗号資産でも活用できます。
カップウィズハンドルは5分足や1時間足でも機能する?
5分足や1時間足でもカップウィズハンドルが機能するケースもありますが、基本的にだましが多く発生するため短い時間足での確認はおすすめしません。
まずは4時間足や日足など、長い時間足で確認してみましょう。
ハンドル形成中にエントリーしてもいい?
カップウィズハンドル形成中のエントリーはおすすめしません。
ブレイク前だまし率が高いため、ネックラインをブレイクしカップウィズハンドルの完成が確認できた後にエントリーしましょう。
まとめ:カップウィズハンドルを活用して利益を狙おう
カップウィズハンドルは、価格が大きく上昇したあとにコーヒーカップのようなU字型と取っ手の形を描く値動きをするチャートパターンです。
発生を確認できれば、買いエントリーで大きな利益を狙える可能性があります。
トレード手法の幅を広げたい方や、大きなトレンドに乗って利益を狙いたい方は、見極めるポイントを押さえておきましょう。
カップウィズハンドルで多くの利益を狙いたい場合は、レバレッジの高い海外FX業者を利用するのがおすすめです。
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BigBossコラム編集部