といった疑問はありませんか？
FXの環境認識とは、現在の相場がどのような状況下であるかを把握することです。
あらかじめ相場環境を分析することで、トレードの精度を高めやすくなります。
この記事では、以下の内容について詳しく解説します。
この記事でわかること
- FXの環境認識の概要
- 環境認識で見るべきポイント
- 環境認識を使ったFXトレードの手順
環境認識のポイントを押さえておけば、FXトレードで利益を狙いやすくなるでしょう。
FXトレードの勝率を高めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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Contents
FXの環境認識とは
FXの環境認識とは、現在の相場がどのような状況なのかを把握することです。
具体的には「トレンドが発生しているのか」「買いと売りのどちらの勢力が強いのか」といった市場の全体像や背景を読み取ります。
FXの環境認識で見る主なポイント
FXの環境認識では、主に以下のポイントを確認します。
- トレンド方向
- 通貨ペアの強弱
- 相場リスク
一つずつ詳しく紹介します。
1．トレンド方向
FXには「レンジ相場」と「トレンド相場」の2種類があります。
レンジ相場では、値動きに大きな変動が見られにくく、横ばいになります。
一方、トレンド相場では上下どちらか一方に向かって、大きな値動きをするのが特徴です。
トレンド方向を確認する際は、長期的・短期的に発生しているものなのかを判断することも大切です。
1時間足で下降トレンド、日足で上昇トレンドが発生している相場では、短期的に見ると下降トレンドが発生していますが、長期的には上昇トレンドを形成していることになります。
FX相場では長期トレンドに従って値動きする傾向があるため、複数の時間足でトレンド方向をチェックするようにしましょう。
2．通貨ペアの強弱
FXでは2国間の通貨を売買しますが、その通貨ペアには強弱があります。
「通貨が強い」とされる場合は、為替市場でその通貨が多く買われている状況を表します。
一方「通貨が弱い」と表現されるのは、為替市場でその通貨が多く売られている状況です。
強い通貨の為替レートは上昇しやすく、弱い通貨の為替レートは下落しやすい傾向があります。
通貨ペアの強弱を把握することができれば、相場が今後上下どちらに向かうのか予想しやすくなります。
3．相場リスク
FXの環境認識では、現在の相場がリスクオン相場とリスクオフ相場のどちらに該当するかを分析することも大切です。
リスクオン相場とは、トレーダーがリスクを取ってまでもリターンを求める相場のことです。
この相場では、高いリターンを期待して新興国通貨や高金利通貨が買われやすくなる傾向があります。
一方、リスクオフ相場はトレーダーがリスクを避けたい相場です。
そのため、安全資産とされる日本円やゴールドの需要が高まりやすくなります。
リスクオン相場とリスクオフ相場を見分けるには、以下の項目をチェックするのが効果的です。
| VIX指数（恐怖指数） |
・低いほどリスクオンが強い ・高いほどリスクオフが強い |
| ゴールド |
・価格が下落傾向であればリスクオンが強い ・価格が上昇傾向であればリスクオフが強い |
FXトレードで環境認識が重要な理由
FXの環境認識は、トレンドに逆らったトレードを避けたり、優位性の高いタイミングでエントリーしたりするために重要なポイントです。
ここでは、FXトレードで環境認識が重要な理由を解説します。
トレンドに逆らったトレードを避けられるため
FX相場では、テクニカル分析やインジケーターの売買サイン通りに動くとは限りません。
トレンドに逆らってトレードをすると、想定と反対方向に価格が動いて損失を受ける可能性が高まります。
トレンド系インジケーターの移動平均線には、2本のラインが交差したタイミングでポジションを保有する手法があります。
この手法はトレンド相場が発生しているときに機能するといわれており、下図のようにレンジ相場で使った場合はだましによって損失を受ける原因になるので注意が必要です。
エントリーする前に環境認識によって現在のトレンド方向を確認しておけば、売買サインが出ていてもエントリーを見送る判断ができます。
優位性の高いタイミングでエントリーするため
環境認識ができると、エントリーすべきか見送るべきかの判断材料が増えます。
テクニカル分析の売買サインが買い方向を示しているときに、上位足で長期的な上昇トレンドの発生が確認できれば、買いエントリーで利益を狙いやすいと判断できます。
一方、下降トレンドが発生している場合は、エントリーを控える選択肢を取れるのです。
環境認識によって優位性の高いタイミングに絞ってエントリーできると、安定したトレード成績を出せるようになるでしょう。
環境認識を使ったFXトレードの手順
環境認識を使ったFXトレードの基本的な手順は、以下の通りです。
- 上位足で相場の全体像を把握する
- サポートラインとレジスタンスラインを引く
- 下位足でエントリーポイントを探す
- 損切りラインを決めてエントリーをする
順番に詳しく見ていきましょう。
1．上位足で相場の全体像を把握する
まずは、週足や日足などの大きな時間足を見て、全体的なトレンドを把握します。
チャートの方向性から、トレンド方向を以下のように判断できます。
| チャートが右肩上がり | 上昇トレンド |
| チャートが右肩下がり | 下降トレンド |
| チャートが横ばい | レンジ相場 |
上位足に逆らってトレードすると、だましに遭いやすくなります。
大きな損失を受けないためにも、上位足でトレンド方向を確認するようにしましょう。
2．サポートラインとレジスタンスラインを引く
次にレートが何度も止められている価格帯を見つけて線を引きましょう。
チャートが右肩上がりの上昇トレンドの場合は、安値同士をつないでサポートラインを引きます。
下降トレンドの場合は、高値同士をつなぐレジスタンスラインを引きます。
レンジ相場では、サポートラインとレジスタンスラインが平行に引けます。
これらのラインは、価格が反転しやすいポイントとして活用できます。
一方、ラインを突破するとその方向に大きな値動きが起こりやすくなります。
意識すべき価格帯を認識しておくことで、エントリーポイントを見極めやすくなるでしょう。
▶トレンドラインの引き方はこちらで詳しく解説！
▶ライントレードのポイントはこちらで詳しく解説！
3．下位足でエントリーポイントを探す
上位足で相場の方向性や高値、安値が把握できたら、下位足でエントリーポイントを探します。
エントリーポイントを探す際は、インジケーターを活用するのがおすすめです。
例えば、上位足でトレンドが発生している場合は移動平均線、レンジ相場が発生している場合はRSIを用いるのが効果的です。
4．損切りラインを決めてエントリーをする
見通しが外れたときに大きな損失を受けないためには、エントリー前に「〇〇pips逆行したら損切りする」と決めておくことが大切です。
損を確定させたくない感情から、適切な損切りができない場合は、逆指値注文を活用するのがおすすめです。
逆指値注文を入れれば、指定価格に到達したら自動で損切りされるように設定できます。
▶損切りラインの決め方はこちらで詳しく解説！
▶逆指値注文の活用方法はこちらで詳しく解説！
FXトレードの環境認識で取り入れたいインジケーター
インジケーターを使えば、エントリーポイントや売買方向が視覚的に判断しやすくなります。
そのため、FXトレードの環境認識では、以下のようなインジケーターを取り入れるのがおすすめです。
- 移動平均性
- ボリンジャーバンド
- RSI
- MACD
それぞれのトレード手法を詳しく紹介します。
1．移動平均線
移動平均線とは、一定期間の価格の平均値を折れ線グラフの形で表すインジケーターです。
チャート上に表示すると、相場の方向性や強さを視覚的に捉えやすくなります。
移動平均線は平均値の計算対象となる期間を変更しながら、複数の線を併用する手法が効果的です。
代表的な手法には、対象期間が異なる長期線と短期線の動きから売買方向を導く「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」があります。
それぞれ下表のようなサインとして活用できます。
| 手法 | シグナルサイン | 売買方向 |
| ゴールデンクロス | 短期線が長期線を上方向にへ抜ける | 買い |
| デッドクロス | 短期線が長期線を下方向に抜ける | 売り |
2．ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドとは、下図のように単純移動平均線の上下に標準偏差を示すラインが引かれているインジケーターです。
標準偏差は、平均線周辺で値動きがどれほど分散するのかを示す数値です。
ボリンジャーバンドの標準偏差に基づくラインには「±1σ標準偏差」や「±2σ標準偏差」などがあります。
それぞれのライン内で値動きが収まる確率は、以下の通りです。
| 標準偏差 | ライン内に収まる確率 |
| ±1σ（シグマ） | 68.3％ |
| ±2σ（シグマ） | 95.4％ |
| ±3σ（シグマ） | 99.7％ |
標準偏差を表す上下のラインにチャートが近づいたら、反転を予測してトレードするのが有効です。
3．RSI
RSI（アールエスアイ Relative Strength Index）とは、一定期間の為替相場の下落幅と上昇幅の累計のうち、上昇幅の累計が何％を占めているのかを指数化したインジケーターです。
下図のようにRSIが70％以上の場合は価格が下落しやすく、30％以下の場合は上昇しやすいといわれています。
以下のような売買サインとして活用するのが有効です。
| シグナルサイン | 売買方向 |
| RSIが70％以上 | 売りのシグナル |
| RSIが30％以下 | 買いのシグナル |
4．MACD
MACD（マックディー Moving Average Convergence/Divergence）は、新しいデータに比重を置く理論に基づき、移動平均線を応用したインジケーターです。
下図のMACDラインとシグナルラインの2つのラインで相場を分析するのがおすすめです。
デッドクロスやゴールデンクロスが見られたときは、以下のようにトレードします。
| 手法 | シグナルサイン | 売買方向 |
| ゴールデンクロス | MACDラインがシグナルラインを上方向に抜ける | 買いのシグナル |
| デッドクロス | MACDラインがシグナルラインを下方向に抜ける | 売りのシグナル |
▶MACDの見方や手法はこちらで詳しく解説！
▶FXのテクニカル分析の種類はこちらで詳しく解説
FXトレードで環境認識をする際のポイント
FXトレードで環境認識をする際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 上位足のトレンド方向に沿ってトレードする
- 使用するインジケーターを絞る
- インジケーターのパラメーターを一定にする
- ファンダメンタル要素を確認する
それぞれ詳しく紹介します。
1．上位足のトレンド方向に沿ってトレードする
FX相場は、上位足の方向に沿って値動きが起こりやすいといわれています。
例えば、上位足で上昇トレンドを示しているのであれば、下位足で下落が見られても一時的な下落であり、上昇に転じる可能性が高いです。
エントリーのタイミングは下位足で見極め、売買方向は上位足を重視しましょう。
2．使用するインジケーターを絞る
環境認識をする際は、使用するインジケーターを絞るのがおすすめです。
インジケーターを複数表示させると、情報が多過ぎて判断に迷いやすくなります。
エントリーチャンスを逃さないためにも、インジケーターは2～3種類に絞りましょう。
3．インジケーターのパラメーターを一定にする
環境認識にインジケーターを使う際は、パラメーターを頻繁に変えるのはおすすめできません。
パラメーターを何度も変えていると、トレードでの失敗原因が何なのか判断しにくくなります。
失敗原因がわからなければ、トレードスキルが向上しにくくなるので、インジケーターのパラメーターは一定にしましょう。
4．ファンダメンタルズ要素を確認する
FXトレードの環境認識では、各国の経済情勢や政策金利を確認することが大切です。
例えば、以下のようなイベントが起こると、大きな値動きが発生しやすくなります。
- 経済指標の発表
- 要人発言
- 政策金利の発表
- テロや戦争、災害
経済指標の中でも、以下の指標はFXトレーダーからの注目度が高く、為替相場に大きな影響を与えます。
- 米国雇用統計
- GDP
- 消費者物価指数
例えば、米国雇用統計の平均時給が予想を下回ったときは、個人消費が促進されやすくなることから、アメリカ全体の景気が上向きになることが期待できます。
アメリカの景気が良くなり、米ドルの価値が高まれば、円安ドル高に進む可能性があると予測できます。
一方で、ファンダメンタル要素によって起こる値動きは、経験が豊富なトレーダーでも予測するのが難しいといわれているため、トレードを避けることも視野に入れましょう。
▶FXで重要な経済指標はこちらで詳しく解説！
▶米国雇用統計発表時にFXトレードするコツはこちらで詳しく解説！
まとめ：環境認識のポイントを押さえてFXトレードで利益を狙おう
FXトレードの環境認識では、主にトレンド方向や通貨ペアの強弱を確認します。
環境認識をしておけば、だましに遭うリスクを抑えられたり、優位性の高いタイミングでエントリーしやすくなったりします。
安定した利益を狙うためにも、環境認識のポイントを押さえておきましょう。
インジケーターを使って環境認識の精度を高めたい方は、30種類以上のインジケーターが利用できるMT4・MT5を採用しているFX業者を選びましょう。
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BigBossコラム編集部